現在、中国では最新のテクノロジーを活用した新しい小売業態「新小売(ニューリテール)」が注目を集めている。中でも、アリババが展開する「盒馬鮮生(フーマフレッシュ)」の勢いが好調だ。「30分配送」や「フードコートの併設」などの印象が強いが、それだけでは凄さの本質を見誤かねない。長年、多くの企業が解けずにいた問題を解決する糸口となる可能性があるからだ。
目前,在中国,利用最新科技的新零售业态“新零售”已引起人们的关注。其中,阿里巴巴的“盒马鲜生”正在蓬勃发展。 虽然给人很深的印象是“30分钟配送”、“附设饮食区”等,但仅凭这一点很有可能会误解其强大的本质。 因为这有可能成为解决长期以来很多企业未能解决的问题的突破口。
中国のアリババが展開している新小売スーパー「盒馬鮮生」(フーマフレッシュ:以下、フーマ)は、最近日本でもよく紹介されるようになった。
生鮮食料品を中心にしたスーパーでありながら、半径3km以内の地域には無料で30分配送をすることが売りの1つだ。また、フードコートが併設されており、店内で販売されている食材を使った料理を食べることも可能だ。
中国阿里巴巴开设的新零售超市“盒马鲜生”(以下简称盒马)最近在日本也得到了很好的推广。
虽然是以新鲜食品为主的超市,但为半径3公里以内的地区免费提供“30分钟配送”服务是它的卖点之一。另外,还设有饮食区,可以吃到使用店内出售的食材制作的食物。
この形態は、米国で注目を浴びている「グローサラント(グロッサリー+レストラン)」に宅配ECを追加したものだと言える。アリババは、2019年内に中国全土で300店舗を出店する計画を進めている。
しかし、これを「宅配もする新しいスーパー」と考えてしまうと、過小評価になってしまうかもしれない。なぜなら、アリババが提唱する「新小売(ニューリテール)」は、成長の限界を迎えたECが、小売業の未来の姿を模索する挑戦でもあるからだ。
可以说,这种形式是在美国备受关注的“便利厨房(食品杂货店+西餐厅)”上增加了快递电子商业。阿里巴巴正在推进在2019年内在中国全境开设300家分店的计划。
但是,如果我们只把它看作是一种“新的快递超市”,那么我们可能会低估它的潜力。 因为,阿里巴巴提倡的“新零售”既是迎来增长极限的电子商业,也是探索未来零售业面貌的挑战。
アマゾンやアリババなどのEC分野の世界的な企業が直面している最も大きな課題は、その成長が頭打ちになっていることだ。
先進国の都市部でほぼ普及しつつあるため、成長する余白は、農村や途上国に移っている。一見、数字としては成長を続けているものの、人口密度の低い地方への配送は、配送効率が低いため、利益率の面で苦しい状況にある。
亚马逊和阿里巴巴等电子商业领域的跨国公司面临的最大挑战是,其增长已达到顶峰。
由于在发达国家的城市地区几乎已经普及,所以增长的空间已经转移到农村和发展中国家。虽然从数字上乍一看,还在持续增长,但是在人口密度较低的地方,配送效率低,在利润率方面面临困难。
この天井を突き抜けて、EC業界がさらに成長を続けていくためには、今までECが扱いづらかった生鮮食料品を含む日用食品の市場に進出をしていくほかない。
「平成30年度 我が国におけるデータ駆動型社会基盤整備(電子商取引に関する市場調査)報告書」(経済産業省)によると、日本国内の食料、飲料、酒類の市場規模は64兆円以上。このうちECでの取引は約1.7兆円で、EC化率はわずか2.64%でしかない。それどころか、EC全体の市場規模ですら、18兆円であるため、食料品市場がいかに巨大であるかがわかる。
要想超越这个瓶颈,让电子商业进一步发展下去,就只能进军到目前为止,连电子商业都难以处理的生活食品市场,包括新鲜食品在内。
根据《2018年日本数据驱动社会基础建设(关于电子商务市场调查)报告书》(经济产业省) ,日本国内的食品、饮料、酒类市场规模超过64兆日元。其中,电子商业交易额约为1.7兆日元,电子商业化率仅为2.64%。事实上,整个电子商业的市场规模也就18兆日元,可见食品市场是多么的庞大。
こうした状況は、世界各国でも変わらない。ECにとって飲食品、特に肉、野菜、魚などの生鮮食料品をどのようにして扱うのかが大きなテーマだといえる。
ここで大きな課題になるのが、配送物流だ。
这种情况在世界各国也是一样。对电子商业来说,如何处理饮食品,特别是肉类、蔬菜、鱼等新鲜食品可以说是一个重大的课题。
其中最大的课题就是快递物流,
ECや配送を委託される宅配企業の多くが「集中物流方式」をとっている。広域をカバーする物流センターで仕分けして、各地区の配送拠点に配送し、そこから各戸に配送をする。この集中物流方式のすべてに冷蔵施設を整え、温度管理が必要な生鮮食料品を扱うのは現実的とはいえない。
负责电子商业和快递的企业大部分采取了“集中物流方式”。由覆盖广域的物流中心进行分类,运送到各地区的快递据点,再从那里配送到各户。所有这种集中物流方式都配备冷藏设施,而处理需要温度管理的新鲜食品,是不现实的。
消費者から見ても、生鮮食料品を宅配便で届けられるのは、ユーザー体験が悪い。宅配便は早くても翌日配送、通常は翌々日配送だが、明日や明後日の献立を先に決めて、食材を注文しておくというのは、生活スタイルになじまない。夕方になって、自炊をやめて、外食で済ませてしまうというのもよくあることだ。
即使是在消费者看来,用快递方式送来新鲜食品,用户体验也很差。快递最早也要在第二天才能配送,通常是隔天配送,但是先决定好明天或后天的菜单,再订购食材,这不符合普通人的生活方式。到了傍晚,自己不做饭,只在外面吃,这也是常有的事。
また、生鮮食料品は不在時に大きな問題となる。宅配ボックスに入れることは、腐敗の恐れがあるためできない。
集中物流方式の課題を解決するために生まれたのが「前置倉方式」だ。テンセント系の生鮮EC「毎日優鮮」が採用している。
另外,新鲜食品在离开的时候会有很大的问题。放在快递箱里因为有腐败的危险,所以不能采用。
为解决集中物流方式的问题而产生的就是“前置仓方式”。腾讯旗下的生鲜电子商业“每日优鲜”正在采用这方式。
この前置倉方式の考え方は、「配達先に近い場所に、小型の倉庫を多数置いて、市内全域をカバーする」というものだ。1つの倉庫は、だいたい半径3km程度の地域をカバーする。このような小型倉庫を多数配置していき、蜂の巣のように市内全域をカバーするというものだ。各倉庫までは、大型の配送車で補充商品の配送を行う。
这种前置仓方式的理念是: “在接近送货地点的地方放置许多小型仓库,覆盖整个市区。”一个仓库大约覆盖半径30公里左右的地区。也就是说,布置多个这样的小型仓库,像蜂窝一样覆盖全市。然后到各仓库,用大型送货车进行补充商品。
消費者が、スマートフォンを使って、生鮮ECに食材を注文すると、配送地域の倉庫に指示が伝わる。それを受けて、配送員がバイクなどを使って配送する。配送時間は、注文をしてから1時間以内が目安となる。
この短時間配送に意味がある。消費者にとって「注文をしてから待っていられる時間」であるために、不在率が極端に低い。この利便性から、毎日優鮮は20~30代の単身者を中心に利用されている。
如果消费者使用智能手机向生鲜电子商务订购食材时,配送地区的仓库就会收到指示。然后快递员用摩托车送货。 配送时间的标准是订购后1小时以内。
这种短时间的配送很有意义。因为对于消费者来说,这是“下订单后可以等待的时间”丢失的概率也极低。由于这种便利性,每天都有20到30多岁为主的单身人士,使用着每日优鲜。
评论:
横山 直人,株式会社フライウィール CEO & Co-founder
仕組み自体をあらたに構築できるところが、新しいイノベーションを起こせる。中国の強みは、インフラまわりを、既存の置き換えでなく、あらたに構築することができることですね。
‘’そこで、前置倉方式の考え方を一歩先に進めたのが、アリババのフーマの「店倉合一方式」だ。これは、地域分散させた倉庫を倉庫だけでなく店舗としても利用するというものだ。消費者は、スマホで注文して30分以内で配送をしてもらうことも可能で、また、自分で店舗を訪れて商品を自分の目で確かめて購入しても良い。‘’ - Like:20
横山 直人,弗莱威尔有限公司首席执行官、联合创始人
能够在自己的体系上重新构建,就会产生新的创新。中国的强项是,基础设施等方面不是现有的替换,而是可以重新构建。
因此,阿里巴巴的“店仓合一”的方式又向前迈了一步。 这意味着,分散地区的仓库不仅可以用作仓库,还可以用作店铺。消费者可以通过智能手机订购,然后在30分钟内进行配送,也可以亲自到店铺确认并购买商品。
岡田 健太郎,電通デジタル 部長
フーマ行って来ました。
ECの倉庫と呼ばれていますが、凄い上手でしたね。
普通のスーパーの様に陳列されて
海鮮魚類なども水槽に入った状態でディスプレイされています。
店員がはピッキングしてあえて店内にピッキングされたものが今から出荷されるよーとガタガタと音をたてながら天井伝って運ばれて行く。ここに倉庫感あり。
もちろん、ほぼ無人レジでレジは1人だけ。
現金はほぼ使えませんでした。 - Like:02
岡田 健太郎,电通数码 部长
我去过盒马鲜生,
他们称之为电商仓库,但做得很厉害。
就像一个普通的超市,海鲜鱼类等也是用水槽展示的。
当店员喊着“现在要发货了”,货物就会从天花板上运了出去。这时就会有仓库的感觉。
当然,这里几乎是无人收银台,只有一个收银员。
几乎不用现金。
林 謙一郎,パーソルキャリア株式会社
前提として①多額の資金力 ②IT活用環境 があるからの成功事例かと思います。 - Like:03
林 謙一郎,个人事业股份有限公司
我认为前提是:1、有大量的资金;2、有活用IT的成功事例。